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中学生とか高校生に間違えられるけど、お肌の曲がり角は過ぎたいい大人。
空を見上げるのが好きで、縄文~平安時代までの歴史が好き。
新聞の一面の下にある、広告記事(歴史本関係広告)は逃せません。
![](http://bfile.shinobi.jp/6109/dog.gif)
![](http://bfile.shinobi.jp/6109/saku.gif)
少し前に、真冬なのに蜂がいた。
店のレジカウンターの中に。
良く私は蜂に好かれるんだけど、蜂は私の周囲をフラフラと飛んだ後、レジの釣銭機の投入口に留まった。
「いらっしゃいませ」
ぴっぴっぴっ
「ありがとうございました」
頂戴したお金を入れるべく、投入口に視線を移すと、まだいる。
試しに投入してみた。
動かない。
どうしようかなーと思っていると、隣で同じレジで作業をしていた後輩が、蜂の存在に気付いてしまった。
「蜂!?」
と驚いていたので
「蜂だねー。冬なのにね」
と返してみた。
後輩は見つけてしまったら怖くなったらしく、腕を胸の前でクロスさせて、縮こまってしまった。
そこまで怖がらなくても…
仕方がないので、去年もやった気がするけれど、ティッシュを2枚重ねて蜂を覆い、捕まえた。
潰した瞬間に針が出てきては大変だから、やわらかくティッシュで包んでセロハンテープでグルグル巻きにしてゴミ箱へ。
「ありがとうごうざいました」
と後輩が接客を終えて釣銭機を見ると、もう蜂はいなくて。
「コトナさん、蜂はどうしました!?」
「ん?捕って捨てたよ。ティッシュでくるんで、テープでグルグル巻きにしてから捨てたから大丈夫だよ」
………
………
見つめあう後輩と私。
「コトナさんって、凄いですね」
「そう?」
その日、店長が会議からヘトヘトになって帰ってきた。
「疲れたよー疲れたよ―」
と連発し、テーブルの上に上半身を横たえてしまった。
「会議、長かったですね」
「うんー。ちょー長かったぁ。疲れたよー。お腹減ったー」
「薬剤師さんから頂いたパンがありますよ」
と言ってパンが入った袋を出すと、店長は顔だけテーブルから上げた。
「あーん」
と言って口を開けた。
私はそれを見て、すかさずパンの袋を開けて、パンが入っているトレーごと袋から引き出して店長に突き付けた。
さぁ、ここから取れ。という私の行動に、店長はすぐさま反省した。
「ごめんなさい。自分でとります」
モグモグモグとパンを食べたあと、店長は「疲れたよー。眠いよー」と言い始めた。
「寝てもいいですよ」
と答えると
「本当に!?起こしてくれんの!?」
「ええ。5分間だけ」
「5分だけかよ!!」
「だって、金庫を開けてもらうのそんなに待てないですもん」
「ごめん。今開ける」
そして金庫を開けた後、やっぱり眠いと言い続ける店長は、再びテーブルに伏していた。
「寝てもいいですよ」
「5分だけだろー」
「あ、ゴキブリ」
と言うと、店長はガバリと伏せていた体を起きあがらせた。
「嘘です」
「嘘かよ!びっくりしただろ!」
「いやー。わかんないですよ?この部屋にいないとは限らないですよ」
「何言ってるんだよ。真冬なんだから、出てくるわけないだろ」
「えー。だって、レジに蜂がいましたよ。すっごく弱ってたけど。ね?」
と、後輩に賛同を促すと、後輩は頷いた。
「はい。いましたよ」
「どうしたの、それ」
「ティッシュで捕って、ゴミ箱に捨てましたよ」
「マジで!?お前やったの!?」
「はい」
「凄いな!」
「そう、凄いんですよ~!」
という会話が永遠と続く職場。
これで年間10億稼ぐ店なんだから、世の中ってわかんない。